以前、英語を聞き取れるのに
意味が分からないというお話をしましたが、
リスニングをしていると、
本当に様々な「?」に出会うことがあります。
それは、文字で書くと知っている単語なのに
聞き取れないということが原因です。
今回は、実際に私が体験したことをご紹介しながら、
リスニングを上達させるために
必要なポイントをお伝えしようと思います。
目次
アリゾナで雪?
私がアメリカでボランティア活動をした時の話です。
活動中はホームスティをしていました。
初日、アメリカへ着き空港へ迎えに来てもらい
やっと家へ着いたとき
頑張って覚えてきた簡単な自己紹介等を済ませ
「緊張した~なんとか自己紹介できた!」
と思っていたところ
最後にホストマザーから
「レタスノウ」
と言われたように聞こえました。
ですが、そこはアリゾナで
高温で乾燥気候の砂漠地帯。
私は一瞬「スノウ→snow→雪????」
と意味が分からず
次に「レタス??」と考えたものの
会話の流れからここでレタスが出てくるはずはなく
緊張と焦りから若干頭がパニック状態に( ゚Д゚)
そんな私の様子を見て
ホストマザーはゆっくりと一語ずつ
「Let us know」
と伝えてくれました。
その当時は、まだ
英語でまともに会話ができるようなレベルではなく
知ってる単語と短文で乗り切っているくらい。
知識として知っていても
リスニングレベルはかなり低く
すぐに考えつくことができず
ホストマザーの「let us know」の言葉を聞いて
「そうか!これが英語の音が変わるということか!」
と認識しました。
英語は音が変わる
英語は、いろいろな条件によって
音が変化することがあります。
細かく分けると多くなるので
大まかに大きく分けると4つの変化があります。
1、リエゾン/リンキング(つながり)
2、フラップ(違う音に聞こえる)
3、リダクション(小さな音)
4、ウィーキング(破裂音の消失)
簡単に説明しますね。
1、リエゾン/リンキング(つながり)
リエゾン/リンキングとは
子音と次に来る母音(a,e,i,o,u)が繋がって
別の音に変わるものです。
先ほどのlet us knowはこのパターンで
letのtとusのuが繋がって「タ」に聞こえます。
一つ一つの単語は簡単ですが
ネイティブスピーカーがナチュラルスピードで話した場合
このリエゾン/リンキングが起こることが多く
何を言っているのかわからいということが起きるのです。
例えば、以下のようなものが良く聞かれます。
リエゾン/リンキング(つながり)の例
d+aのパターンが「ダ」の音に聞こえる
kind a
had a
n+aのパターンが「ナ」の音に聞こえる
on a
an apple
r+aのパターンが「ラ」の音に聞こえる
far away
t+aのパターンが「タ」の音に聞こえる
get a
wait a
get away
right away
これらのパターンが良く聞かれるというだけで
他の音(組み合わせ)でも起きます。
聞き取れなかった時には
このリエゾン/リンキングのパターンを意識して
自分でゆっくりと繰り返して発音してみるとわかりやすいです!
2、フラップ(違う音に聞こえる)
フラップとは間に「t」の音が入ると
タ行の音(タチツテト)がダ行(ダヂヅデド)や
ラ行(ラリルレロ)の音に変わる現象です。
ただ、これはアメリカ英語の時に聞かれるもので
イギリスではこの現象は起きません。
フラップの例
water ・・・ aとeの間にTが入っている (ウァラに聞こえる)
butter ・・・ uとeの間にTが入っている(バラーに聞こえる)
letter ・・・ eとeの間にTが入っている (レラーに聞こえる)
※無理やりカタカナで表示しているので
上記のようになっていますが
実際に聞こえる音はもう少し違います。
ダ行またはラ行に聞こえるとお伝えしましが
どのように違うのかというと実はどちらもOKです。
聞こえたように、という感じでしょうか…。
私は大体「ラ行」の音に聞こえることが多く
発音するときも「ラ行」で言っています。
また、このフラップという現象は
1語だけでなく2語が繋がって(リンキング)
さらにフラップという形になることも!
日本語でもよく聞かれる
「チェケラ」
これは英語では「check it out」となりますが
checkのkとitのiがリンキングで「キ(ケ)」になり
itのtとoutのoが同じくリンキングで「タ」になるところなのですが
itoutのtが母音に挟まれたtに変わった為に
フラップの現象が起きて「ラ」の音に聞こえるのです。
知らなければ気づくはずもありませんよね。
その他にもこのフラップについてルールがあります。
でも、私の場合は
ルールを勉強して覚えて使えるようになったわけではなく
より多くの英語を聞く(耳にする)ことで
自然に身についたものです。
一生懸命にルールを覚えなくても
聞いたり話したりするレベルのスキルは
充分身に付けることが可能だと思っています。
3、リダクション(小さな音)
リダクションとは英語のreducitonで
減少・削減などの意味があります。
発音においてのリダクションは、
音が消えたり、弱くなったりする現象で
特に子音に見られるパターンが多いです。
リダクションの例
一番よく使うのが「I am」が
「I’m」に聞こえるパターンです。
これはおそらく学校で「アイム」と習っているので
知っている方がほとんどだと思いますが
これがリダクションの一例だとして習ったかどうか
私には記憶がありません(笑
またhimやherのような「h」の音も
前の単語から続けて発音されると小さく聞こえやすいです。
him・・・ ヒムがイムに聞こえる
her ・・・ ハーがアーに聞こえる
など。
その他、to、and、of なども
リダクションが起こりやすいです。
英語の歌詞などでもよく聞かれます。
want to … ウォントゥがワナに聞こえる
(歌詞カードだとwannaと書かれてるパターンですね♪)
going to … ゴーイントゥーがゴナに聞こえる
(歌詞カードだとgonnaと書かれてるパターンですね♪)
and … アンドがンに聞こえる
(歌詞カードだと’nと略して書かれてるパターンですね♪)
kind of … カインドオブがカインダに聞こえる
a lot of … ア ロットオブが アラタァに聞こえる
※無理やりカタカナで表示しているので、
実際には聞こえ方によって違います。
効果があることが伝わるのではないでしょうか?
4、ウィーキング(破裂音の消失)
ウィーキングとは6つの子音
(b、d、g、k、p、t)が消えてしまう現象です。
この6つの子音は破裂音と呼ばれる
一気に息をたくさん吐きだす強い音になります。
細かく言えば上の6つ以外の子音でも
消失する場合もありますが
まずはこの6つが分かれば最初はOKかなと思います。
(※消えると言っても完全に消えるのではなく
聞こえにくいということです)
ウィーキングの例
語尾に来ると消えるパターン
特に先ほどの6つの子音(爆発音)が最後に来る単語の音が消えやすい。
cup、dog、cat、のようなパターンです。
同じ音(同じような音)が続くと消えるパターン
爆発音た続いたり、爆発音+子音になる場合に置きます。
爆発音が続く例:
good day … d+dでグッド デイがグッデイに聞こえる
このパターンで始めのころ
私が一番苦しんだのがcanとcan’tです。
ゆっくり話してもらえばわかるのですが、
ナチュラルスピードで聞いたときには
なかなか聞き取ることができませんでした。
イメージで言うと
canは少しだけ語尾が伸びていて音の高さはそのまま
can’tはnの後に音が詰まったような感じがして
語尾も少し上がっているような気がします。
爆発音+子音の例:
take care … テイク ケア が テイッケアに聞こえる
※爆発音+子音の例であげましたが、
e+cじゃないの?と思われるかと思いますが
実はここには音の変化とは別に
発音のルールが関わっています。
発音のルールについての詳細は
また改めて別の機会にご紹介させていただきますが
母音+子音+eと並んだ時
基本的に最後のeは発音されなくなります。
その為、爆発音のk+子音となり
似たような音が続いて聞こえなくなっているのです。
その他にも、本当に色々な例があります。
ここではほんの少しの例をご紹介させていただきましたが
今回、私がお伝えしたいことはルールそのものではなく
こういうことがあるということを頭において
/
できるだけ多くの会話を聞いて
体感していって欲しい
\
ということなので「無理して覚えなくては」と
心配しないでくださいね!
自然と身についていきますよ。
まとめ
英語の発音には音の変化
(リンキング)/リダクション/フラップ/ウィーキング等)
と言われるものがあり
ネイティブスピーカーの話す
ナチュラルスピードで聞くと一つ一つの単語が分かっても
聞き取れないということがあります。
できるだけナチュラルスピードで話されているものを耳にして
実際に文字で見て行く様にすると
自然と身についていきます。
この音の変化が分かるようになると
リスニングも上達していきます。